積立に頼らない財産形成

終身保険の効果と欠点

「定期保険」

定期保険とは、被保険者(保障の対象となっている人)が亡くなった場合、または所定の高度障害状態になった場合に保険金が支払われる死亡保険です。

 

保険期間は一定で、基本的に保険料は掛け捨てとなります。また、定期保険には2つの期間の設定「歳満了」と「年満了」があります。

 

例外はありますが、基本的に年満了は更新可能で、歳満了は更新ができないことになっています。

 

メリット:終身保険と比べて、保険料が安い。保険期間が選べる。

デメリット:保険料が掛け捨てとなる。一定期間で保障が終了する。

「終身保険」

一方、終身保険とは、死亡・高度障害時の支払いは定期保険と同じですが、被保険者の一生涯にわたって保障が継続します。

 

また、途中で解約した場合は、加入年数に応じた「解約返戻金」を受け取れるため、保険料が掛け捨てになるというわけではありません(低解約返戻金タイプという途中解約時は返戻金がないか、少ない契約もあります)。

 

同じ保険金額の定期保険と比べ保険料が高いため、大きな保障を準備する場合には保険料が高額になります。保険料は加入時の被保険者の年齢と保険料率で計算され変わりません(ステップ払い方式という途中で保険料が上昇するタイプもあります)。

 

また、終身保険の保険料の支払い方法には、保険料を一生涯にわたって支払う「終身払」と、〇歳まであるいは〇年間で一生分の保険料を支払ってしまう「有期払」があります。

 

メリット:保障が一生涯続く。解約返戻金を貯蓄の代わりとして活用することもできる。

デメリット:同じ金額の定期保険と比べて、保険料が高くなる。終身払の場合は、保険料を一生涯支払う必要がある。死亡保険を受け取った場合解約返戻金は戻ってこない。

「掛け捨ては損・終身保険は積立だから得」のまやかし

「掛け捨ては損」は全くのまやかしです。

 

そもそも、老後資金を保険で準備することで合理的だとされますが、毎月の生活費以上のインカム・ゲインの準備ができた場合、死亡保障そのものを卒業するのですから、「ずっと掛け続けること」が前提のこの提案はまやかしと言えます。

 

また、デメリットにあるように、万が一死亡が発生した場合、資産と保険を分けておけば、資産も残り保険金も受け取れるのですが、終身保険の場合、死亡が発生した場合解約返戻金は支払われません。

解約返戻金の「返戻率に注意」

みなさんも「解約返戻金の返戻率」という言葉を聞いたことがあると思います。

では、銀行業界で良く使う「年平均利回り」と証券業界が使う「騰落率」、保険業界が使う「返戻率」は何が違うのでしょうか?

 

①騰落率 = 増加分 ÷ 原資 × 100

平たく言えば、増えた金額を、もともと出したお金で割って、パーセント表示したものですから、単純に増加率なのですが、キャピタル・ゲインを計算することもあれば、キャピタル・ロスが発生することもあるので、高騰・下落の割合という意味で主に証券業界では「騰落率」を使います。

 

②返戻率 = (増加分 + 原資) ÷ 原資 × 100

これは保険業界でよく使われますが、もともと出したお金と増加分を、もともと出したお金で割ってパーセント表示したものです。

 

ちなみに、同じ増加・減少分を騰落率と返戻率で表示すると、騰落率20%は返戻率120%となります。騰落率マイナス10%は返戻率90パーセントとなります。まるで、返戻率のほうが多く増えたような錯覚が起こりますが、両者の違いは元金も含めるか否かという点です。

③年平均利回り = 増加分 ÷ 原資 × 100 ÷ 年数

これは銀行業界でよく使われますが、平たく言うと騰落率を投資期間(年数)で割った数値です。

 

ちなみに、騰落率20%=返戻率120%を20年かけて達成したとすると、年平均利回りは1%となります。

 

このように、返戻率はとても大きく見えて、年平均利回りはとても小さく見えます。

 

数字はうそをつかないのですが、嘘つきは数字を上手に使います。

唯一、投資期間という時間の概念を使っているのは年平均利回りなのですから、すべての投資効率は年平均利回りで比較・検証することが望ましいといえます。

 

そういえば、数年前に、とある学資保険のCMで、「なんと返戻率110%」というフレーズがありました。

18歳満期の学資保険でしたから、年平均利回りを計算すると10%÷18年=約0.56%となり、教育費の物価上昇にはとても追いつかない利回りだったということです。

 

 

貯蓄を保険でやらないことがより早く不労所得を作るコツ。

物価上昇に勝てない資産は生活を苦しめる。

 

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