「懸命に働いているのに・・・
お金が貯まらない」という声や、
「収入は多い方だけど、なかなかお金が貯まらない」という声を
よく聞きます。
貯め方を学ぶには、
まずは貯まる仕組みを理解する必要があります。
「収入-支出=貯蓄可能額」
つまり、収入>支出の場合、貯まっていきます。
当たり前の方程式なのですが、中には、
「収入-強制貯蓄+貯蓄や保険からの取り崩し」
という方々が多いのが実情です。
つまり、強制貯蓄することで、収入と支出のバランスを確認できず、
積み立てをしている気になって財産形成できたものを取り崩しているのです。
金融商品の多くは、毎月一定額を満期まで積み立てる仕組みになっているため、
途中でお金が入用になると、貯めたお金を使ってしまい、
強制貯蓄に回すという負の連鎖を繰り返す習慣に陥ります。
強制貯蓄は、あくまでも取り崩さないことを前提に
成り立つと考えるとよいのですが・・・。
これは、財布(家計簿)だけの管理を行うことによる
デメリットとも言えます。
企業においても損益計算だけを行うと、
「売上-経費(積立含む)+借入」
によって、資金繰りができているという錯覚に陥ります。
「上手な貯め方」を身につけるには、
「貯めたお金を使う」という習慣を、
「①貯めれる時期を確認し、
②貯めた資金は取り崩さず、
③お金に働いてもらう仕組みを活用する」という
習慣に切り替えることで、自ずと財産形成につながっていきます。
言い換えると、収支のバランスを損益計算書(財布)で確認し、
財産形成(育てる)と資産管理(利益を生む)を
貸借対照表(貯金箱)で確認することで、
上手な貯め方につながるのです。
毎月や毎年の家計決算を行なった結果が赤字だった場合、
どのようなことが起こるでしょうか。
①日々の生活を我慢する
家計の損益計算書をご覧ください。
生きる支出(最低限の生活に必要な支出)と
活きる支出(より豊かに生活する支出)の
合計金額が収入よりも多くなった場合、
日々の生活を我慢して、
支出を削る必要があります。
②資産を食いつぶす
日々の生活が我慢できない場合、
資産から収入へ金額を移動することもできます。
当然、家計の貸借対照表上の資産は減少し、
資産を食いつぶして日々の生活を送ることになります。
この状況が続けば、
いつかは資産が底をつくことは明白でしょう。
家計決算が赤字だと、
日々の生活を我慢するか、
資産を食いつぶすしかありません。
財産のダムを作るために苦労してせっかく貯めた
「水がめの水」を飲んで生活をしていくことになり、
その水がめはいつかは枯れてしまいます。
右肩上がりの時代の「貯めて使う」という「非常識」が
露呈した時代なのです。