ちょうどいいお金持ちは「お金は人の役に立った対価」であることを認識しているので、収入面では相手が対価を払いたくなることに重きを置いて仕事に取り組みます。
子供のころ、両親にお手伝いを頼まれたとき、イヤイヤお手伝いをしていた自分を思い出すときがあります。「はい、喜んで!」と気持ちよく手伝っていれば、両親がお小遣いをくれたかもしれません。
会社にお勤めの皆さまだったら、お客様のお役に立つのはもちろんですが、会社のための仕事をして対価である給与を得ています。ところが、社長や上司の陰口を酒の肴になんて姿はよくある光景です。
もちろん、彼らがお金持ちになれるとは到底思えません。お金をもらっている相手の陰口を平気で言えるのですから、「自分や周囲のためになる行動」とは程遠いものです。
ちなみにちょうどいいお金持ちは、陰口ではなく本人の目の前で、相手を思って面と向かって指摘します。
支出の面では、ケチケチするのではなく始末をします。
今さえよければいいという使い方ではなく、始まり(始)と終わり(末)、つまり、そのお金を使う先の効果(費用対効果)を考えたり、使うペースを考えたりしているのです。
私は、個別相談を始めるとき、お金持ちの生態をイメージしていただきます。
皆さんもイメージしてみてください。
高級な車に乗っている…大きな家に住んでいる…高級なレストランで食事している…ブランド品に身を固めている…意外と孤独…意外とケチケチしている…など、様々な憶測が飛び交います。
案外、自分の周りにお金持ちは存在していないという方は多いのではないでしょうか?
次に、想像してみてください。
ネイティブな英語を話せない英語教師…まずい料理店…運転の荒いタクシードライバー…飯の食えないファイナンシャル・プランナー…など、よく考えるとおかしなものですが、私たちの周りにとても多く存在しています。
間違ったお金持ちのイメージも、的確なサービスを提供できないプロたちも、「目指すべき、そのものの本質」からズレてしまっていることから起こる現象です。
正しい姿や明確な目的、具体的な目標という「目印」が間違っていれば、お金持ちにも、ネイティブな英会話を流暢に話す教師にも、安全運転を心がけるドライバーにも、お金ごときで困るはずのないお金の専門家であるファイナンシャル・プランナーにもなれないのは無理もありません。
実は、お金持ちは自分や周囲のためになる行動に努め、健康管理に気を配り、終生大切に思える友達に一人でも多く出会えることを心がけています。
お金・時間・健康・適切な人間関係をとても重んじているのです。
過去の学歴や資格取得などとは無関係に、将来に向けて具体的な計画を立てそれを遂行していく方々は、わずか10年、20年の間に目的・目標を達成し、理想の姿にどんどん近づいていきます。
過去はどんなにあがいても変わりませんが、これからの将来はいかようにも変えられることを彼らは知っているからです。
今の自分がどうであれ、今の状況がどうであれ、将来の理想の姿を明確にイメージし近づく努力を惜しまないのです。
大切なことは、過去の栄光にしがみつくのではなく、
①将来の理想の姿を
②具体化し、
③現在の自分の姿を正確に把握したうえで、
④どうすれば理想に近づけるか、
⑤様々なルートを模索するという、
「逆算の可能思考」を身に付けるということです。